F・ジャスミンのこと

image1
カーソン・マッカラーズ 「結婚式のメンバー」

子供の1日にとって、夏の黄昏時がどれだけ長く幸福な時間だったか、現在のことのように思い出した。
世の中から除け者されたように感じること、閉じ込められること。それから自由について語った、延々と続く夜までの時間。
12歳の少女が世界に向ける、あのぎざぎざした感覚は今となっては宝石より眩い。
ある時点で消え去ったつもりでいたその感覚から、実際には抜け出せなかったからこそ、特別な小説が生まれるんだ。
そして、何もかもを壊したくなってしまった全ての子供のために、ベレニスやジョン・ヘンリーが傍に居てくれたら良いのに。そうしたら、取り返しのつかない出来事を、少しだけ防ぐ事ができるかもしれない。

カテゴリー: book   パーマリンク

コメントは受け付けていません。