1961年のグリニッジ・ヴィレッジで

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」 監督:ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン 2013年 アメリカ

寒い冬のある日、トンプソンと三番ストリートの交差点のそばで、雲のあいまから太陽が弱々しく射していたのに突然の雪が散らつきはじめたとき、ヴァン・ロンクが凍りつくような静寂のなかを歩いてくるのが見えた。まるで風が彼をわたしのいるところに向かわせているかのようだった。わたしは話しかけたかったが、なぜかそうできなかった。ただ彼が過ぎていくのを眺め、彼の眼が輝いているのを見た。
———————————「ボブ・ディラン自伝」ボブ・ディラン 著 菅野ヘッケル 訳

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