PULP

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 チャールズ・ブコウスキー 「パルプ」

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人はみな待って一生を過ごす。生きるために待ち、死ぬために待つ。トイレットペーパーを買うために並んで待つ。金をもらうために並んで待つ。結婚するために待ち、離婚するために待つ。雨が降るのを待ち雨が止むのを待つ。食べるために待ち、それからまた、食べるために待つ。

時代の要請なんてコロコロ変わるし。酷な話だ。
夜、自分のベッドで眠れるだけでも、世の力に対する貴重な勝利だ。

最高な時間は何もしてない時だって場合も多い。何もせずに、人生について考え、反芻する。たとえば、すべては無意味だと考えるとする。でもそう考えるなら、まったく無意味ではなくなる。なぜならこっちはすべての無意味さに気づいているわけで、無意味さに対するその自覚が、ほとんど意味のようなものを生み出すのだ。わかるかな?
要するに、楽観的な悲観主義。

本文引用「パルプ」訳・柴田元幸氏
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わたしたちは、いつだって何かを待っている。〝IN THE FUTURE〟
わたしのIN THE FUTUREは、いったいいつ訪れるんだ。
そんなとき、その場凌ぎで張りぼてのアメリカンドリームは要らない。
ブコウスキーの偽りない厭世観が、そのまま生活していく勇気に繋がることだってあるのだ。

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