「ゼロ・グラビティ」 監督:アルフォンソ・キュアロン 2013年 アメリカ

地面に自分の両足を感じること。呼吸する空気によって肺が広がったり縮んだりするのを感じること。片足をもう一方の足の前に出しつづけていれば、現在いる地点から自分が行こうとしている地点まで行けるのだと実感すること。そうした日常的現実の経験が、彼にはとてつもないことのように思える。 朝起きてすぐ、靴ひもを結ぼうとしてかがんだとき、強烈な幸福感に襲われる。世界とごく自然に、ひとつに調和した幸福感。自分が現在のなかに生きているのが感じられる。彼を包み、彼にしみ通り、俺は生きているのだという圧倒的な実感の不意打ちとともに彼のなかに入り込んでくる現在。それが彼にはとてつもないことのように思える。その瞬間に自分のなかに見出す幸福感、それがとてつもないのだ。それが本当にとてつもないものかどうかは知らない。でもその幸福感が彼にはとてつもないものに思えるのだ。
—————————————-「孤独の発明」ポール・オースター 著 柴田元幸 訳
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